2005年9月18日更新

生誕一○○年
入江泰吉の大和八景

悠久の歴史をくぐり抜けてきたなら大和路の風景には、この地で生きてきた古の人々の思いが奥深く染み込んでいます。入江泰吉は、その空気感までも写し取ろうと、約半世紀にわたってアングルを探り続けました。

そうして生み出された数多くの作品を見てみると、同じ場所で撮影したものがたくさんあることに気づきます。それは、奈良を象徴するような場所であったり、あるいは入江自身がとても強く思い入れていたりする、限りなく魅力的な場所だったのでしょう。何度とっても飽き足りず「今度こそ最高傑作を」と、その写欲をかき立てられて来たのです。

今回の展示では、特に多く撮影された8つの場所（東大寺大仏殿、薬師寺の塔、斑鳩、飛鳥川、二上山、三輪山、談山神社十三重塔、吉野山）を「大和八景」とし、約30点の作品を選びました。

入江が特に心にかけ、こだわっていた風景は、見る側をも強く惹きつけてやみません。それは、長い歴史の中で行き交った人々の息づかいや足音が、作品を通して現代に生きる私たちの心にも響いてくれるからなのです。
（フライヤーより抜粋）

期間：2005年7月2日（土）〜9月25日（日）
時間：9:30〜17:00（入館は16:30まで）
場所：奈良写真美術館
休館日：9月20日（火）
観覧料：一般500円／高校・大学生200円／小・中学生100円／団体（20人以上）2割引／毎週土曜日、小・中・高校生は無料／奈良市在住の70歳以上の方は無料

Nara City Museum of Photography